チームベオグラード
僕たち6人は、長い列車の旅を終え、やっとセルビアの地に着いた。
街灯や気の利いた灯などなにもない、古びたホームに降りると、人がごった返していた。
どうやらバール鉄道の夜行列車を待っている人達のようだ。
日本の鉄道のように、綺麗で整備された待合室や、ベンチなどはなにもない。
僕たち6人は、ここで別れることになった。
老男女四人組は、これからハンガリーのブタペストに向かうらしい。
なにやら電車が止まってて、バスで行くことになったと言って、別れの挨拶もそこそこに彼らは急いでバス停に向かった。
最後にきたろう爺さんが、餞別に大好きな柿ピー梅味をくれた。
「気をつけてな」
「はい。きたろうさんも気をつけて!」
旅は出会いと別れとはこういうことか。
と、列車の時間が迫っていたので、感傷に浸る時間もあまりなく、僕と師匠は会議を始めた。
師匠「どうしよっか?このまま乗ってく?」
ぼく「せっかくセルビアまで来たし、観光していくのもありかもしれませんね」
師匠「そうなんだよなー。」
ぼく「ただおれたち、セルビアの金一銭も持ってないんですよね笑」
師匠「ハハハハそうなんだよなー」
ぼく「辺りも真っ暗で、どこに宿があんだかさっぱり笑」
師匠「う〜ん。とりあえず金おろそう」
てな感じで、まずはATMを探すことに。笑
事前に用意しとけばいいものを、だいたいこんな感じで僕らは旅をした。笑
しかし、歩けど探せどATMが見つからない。
というか、暗すぎてよくわからない。笑
ぼく「ちょっと駅員の人に聞いてみますね」
師匠「おっけーここで待ってるわ」
ぼくが長蛇の列を並んで、ATMや夜行列車の情報を聞いて師匠のもとへ戻ると
なにやら見知らぬ日本人の2人組と師匠が談笑していた。
師匠「お、うつヘルく〜ん!」
ぼく「なんとか聞いてきました」
師匠「おお、ありがとう!
こちらさっき待ってる間に会った、あれお名前なんだっけ?」
??「写真家の卵(修行中らしい)です」
ぼく「あ、どうもどうも初めまして」
写真「はじめまして」
師匠「で、こちらが、、、えっと、、、笑」
??「オタク(セルビア・モンテネグロ歴史マニア)です」
ぼく「どうも初めまして」
オタ「はじめまして」
ここでも微妙な初対面になったことは言うまでもない。笑
(オタ君のぞく)
こうしてベオグラードの地にて、別れと出会いを数時間でおこなうという
世にも珍しい奇跡の出会いであった。