日本男児
僕らは夕方のバスで世界遺産の街「コトル」を目指した。
バスの中では思い思いの時間を過ごすことが多かった
- 寝る
- 音楽を聴く
- 車窓の風景を楽しむ
- パソコンかスマホをいじって色々する
バスが空いている時は、思い思いの席に座ってゆっくりしていた。
コトルに着いた時には、もう真っ暗だったと思う。
城塞都市と言われるだけあって、今まで見たこともない景色がそこにはあった。
中世の時代にタイムスリップしたような感覚を覚えるほど、独特な街だった。
僕らは一瞬で気に入って、またしても写真家くんが印象に残る一言を放つ
「いやぁ〜ヨーロッパに生まれたってだけで勝ち組だよなぁ」
「そんなことを友達に話すと、東南アジアがあるじゃないか。って言われるんですけどね。」
ぼくは正直そこまではおもわなかった。
日本を出てから
日本のことを考える時間が圧倒的に増えていた。
いいところも悪いところも、外から見ると冷静に見直すことができる。
師匠の言った言葉で、印象に残った言葉がある。
「日本に帰って、旅の話や、あったことを話すと
海外は変わってるわねぇ〜と言われることが多い。
逆だ。日本の方が変わってる。
でも、ずっと住んでて一度も出たことがないと
比較対象がないから、そこに気づかないのかもしれない。
おれの田舎では、地元から出たことがない友達がいっぱいいる。
でも、すごく幸せそうなんだよね。」
いつもくだらないことしか言わないのに、師匠いいこというなぁ〜と覚えてた。笑
世界中をチケラーしているからか、説得力が溢れる重みのある一撃だった。
ぼくは、生まれ育った日本が大好きだ。
悪き習慣や、変わった風習もあるかもしれないけど
四季折々の景色や匂い、歴史、文化や食も愛している。
自分が日本男児であることを、こんなに意識したことはない。
日本から出てみて、いい経験をしたなと思ったことの一つである。