ゆかいな酒場放尿記

うつとヘルニアを乗り越え、世界へ旅立つ

ズッコケ三人組とボスニア・ヘルツェゴビナ

いきなり黒い服を着た男たちが入ってくる

 

 

黒服「切符見せて」

 

僕ら「はい」

 

黒服「...ちょっと待ってて」

 

僕ら(まだ感傷に浸っていた)

 

黒服(トランシーバーで何やら喋っている)

 

・・・・・

 

続々と集結する黒服の男たち

 

黒服「この切符、刻印してないよ」

 

僕ら「へ」

 

黒服「切符は買うだけじゃなくて、ここでこの機械(穴を手動で開ける)で刻印しなきゃいけないんだよね」

 

僕ら「は」

 

 

開いた口が塞がらないとはこのことである。

 

 

黒服「不正乗車は罰金だから、罰金払って。」 

 

 

師匠は猛烈に抗議した。

 

師匠「俺たちは旅行者で、この国にも昨日来たばかりで、知らなかった。こうして切符は間違いなく買ってるんだし、そんなに目くじら立てて怒らなくても!ゆるして」

 

みたいなことを言っていた。

さすが師匠である。

 

ぼくはもう諦め気味であった。笑

 

しかし師匠はあきらめない。

 

のちに聞いた話によると、チケラー仲間がオーストラリアで同じ目にあった時

猛抗議したら許してくれたという話を思い出し、一縷の望みをかけたらしい。

 

それはもう猛抗議だった。笑

 

しかし一切首を縦に振らない黒服たち。

 

師匠も一歩も下がらない。

 

ここに書いてあるだろ!と指を差す黒服B

何書いてあんのか(ボスニア語?)わからんわ!と抗議する師匠

 

 

ついに業を煮やした黒服が勝負に出る。

 

黒服C「今から警察に行って、100万払うか、ここで50マルク(5000円くらいだったと思う)払うか、どっちか選んでくれ」

 

師匠「そんな横暴な!ちょっと待って...運転手さん!俺らさっき乗ったばかりだよね!?」

 

運転手「知らんよ」

 

ぼく(知らんわけないやろアジア人俺らしかおらんし...)

 

 

こいつらグルだ。

こうやって、無知な旅行者から金巻き上げてんだ。

あこぎな商売だなぁとか思っていた。

 

 

乗客たちも一様に無視である。

 

 

こうやって騙すような

不親切なシステムは、是正してほしい。

 

乗る前から切符を切るシステムだったり、いろいろやりようはあるはずだ。

 

僕らもちゃんと調べればよかった。

 

 

途方に暮れた僕らは

もう何を言っても無駄なので

観念してお金を払うことにした。

 

 

師匠「うつヘルくん、マルク(ボスニアの通貨)持ってる?」

ぼく「持ってないです」

 

 

そう。

僕らはもう数時間後にはボスニアから出国する予定だったので、余分な金は持っていなかったのである。 

 

師匠「だよね。俺も持ってないよ」

 

 

出国する予定だったので、金を持ってない旨を伝えると

 

黒服A「そこにATMがあるからそこで金を下ろせばいい」

 

 

なんとも無愛想に言い放つ。

 

なんやねん... 出来レースやないか...。

すっかり意気消沈した僕らは、ATMへ向かう。

 

なぜか黒服は増えに増え

総勢5〜6人になっていた。

 

なんかすごい状況になった。笑

ボスニアで銃を持った黒服5〜6人に取り囲まれながら

師匠のイギリス行きの飛行機の時間が迫っていたので

走る総勢約10名の大所帯だ。笑

 

なんかのドラマか漫画のような展開に、なんだか笑えてきて

絶対ネタにしてやろうと、心に決めた。笑

 

 

ATMについて黒服5〜6名に取り囲まれながら

ATMを操作する僕ら

 

なぜか師匠とぼくのカードを数枚試してもエラーが出てくる。

 

師匠「あれ? 出てこないなあ」

ぼく「ぶっこわれてるんですかね」

 

師匠が黒服に説明する

 

師匠「なんか壊れてるのか、エラーが出てきてお金下ろせないよ」

黒服B「...じゃあ、警察行こうか」

師匠「いやいやいや!ほんとなんだって!」

 

 

あろうことかこの黒服B

僕らが金を払いたくなくて、わざとやってるんじゃないかと吹っかけてきた。

 

師匠とぼくは、ATMの画面を見せながら

初めから操作していく。

 

黒服B「...あっちに銀行がある。そこに行くぞ」

 

ぼくら「(めんどくせぇ...)」

 

 

しょうがなくちょっと離れた銀行に行くことに

 

もちろん、時間がないので走りながら

5〜6名の護衛付きだ。笑

 

もはやコントじゃないかと思いながら、必死に真顔を装った。

 

 

いままで景色がどうとか

オーケストラがなんとかっていってたのに。笑

 

 

ちなみに誓って創作じゃなくノンフィクションだ。笑

 

 

 

銀行についた僕らは、ATMへ駆け寄る

 

師匠「ん...あれ?」

僕ら「(おい...まさかここまでぶっ壊れてるんじゃ...)」

ぼく「警察行きですかね。笑」

師匠「バカ言ってないで、こうなったら現金を換金しよう」

ぼく「銀行だからその手がありましたね」

 

 

こうしてなんとか罰金のマルクを用意して

銀行の外に出ると

黒服Bだけになっていた。笑

 

黒服Bにお金を渡して、なんとか釈放。

 

ぼくらは散々愚痴を言い合いながら、急いで宿に向かった。

 

 

師匠「あ...キキに教えといてあげなきゃね!」

ぼく「ですね。 師匠えらいわぁ!」

 

 

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